目次
このDebian リファレンス (第2.138版) (2026-02-24 09:02:45 UTC) はシステムインストール後のユーザー向け案内書として Debian のシステム管理に関する概論の提供を目指しています。
本書が対象とする読者は、 GNU/Linux システムがどう機能するかを理解するのに、シェルスクリプトぐらいは学ぶ気はあるが、全ての C のソースまで読む気がない人です。
インスト─ルの方法は、以下を参照下さい:
一切保証は致しません。全ての商標はそれぞれの商標の所有者の財産です。
Debian システム自体は動く標的です。このため最新状況を反映した正確な記述は困難です。現行のテスト版
testing の Debian
システムを用いて本書は記していますが、皆様が読まれる時点ではすでに記載内容が古くなっているでしょう。
本書はあくまで二次的参考文献として扱って下さい。本書は正式の案内書を置き換えません。著者及び本書への貢献者は本書中の誤謬や欠落や曖昧さが引き起こす結果に一切責任を負いません。
Debian プロジェクトはフリーなオペレーティングシステムを創造しようという共通目的を持った個人の集団です。そのディストリビューションは以下の特徴があります。
ソフトウェアの自由へのコミットメント: Debian 社会契約と Debian フリーソフトウェアー ガイドライン (DFSG)
インターネット上の分散型の無償ボランティア活動: https://www.debian.org
多数のプリコンパイルされた高品質のソフトウェアーパッケージ
セキュリティー更新への平易なアクセス提供による、安定性とセキュリティーの重視
テスト版 testing アーカイブによる、最新のソフトウェアーへの円滑なアップグレードの重視
多数のサポートされたハードウエアーアーキテクチャー
Debian の中のフリーソフトウェアー構成要素は、GNU や Linux や BSD や X や ISC や Apache や Ghostscript や Common Unix Printing System や Samba や GNOME や KDE や Mozilla や LibreOffice や Vim や TeX や LaTeX や DocBook や Perl や Python や Tcl や Java や Ruby や PHP や Berkeley DB や MariaDB や PostgreSQL や SQLite や Exim や Postfix や Mutt や FreeBSD や OpenBSD や Plan 9 やその他の多くの独立のフリーソフトウェアーのプロジェクトに由来します。Debian はこの多種多様なフリーソフトウェアーを 1つのシステムにまとめ上げます。
本書の作成にあたり以下の編集指針を守りました。
概論を提供し枝葉末節は省略します。(全体像)
簡潔を心がけました。(KISS)
車輪の再発明をしません。(既存の参考文献へのポインターの利用)
非 GUI ツールとコンソールを重視します。(シェル例示を使用)
客観的であるようにします。(ポプコン等の利用)
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ヒント |
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私はシステムの階層的側面やシステムの低レベルを明らかにしようとしました。 |
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警告 |
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本文書だけに頼らず自分で答えを見出す努力をしっかりすることを期待します。本文書は効率的なスタートポイントを提供するだけです。 |
一義的情報源から自分自身で解決策を探し出すべきです。
一般的情報は https://www.debian.org にある Debian サイト
"/usr/share/doc/package_name"
ディレクトリー下にある文書
Unix スタイルのマンページ: "dpkg -L
package_name |grep '/man/man.*/'"
GNU スタイルの info ページ: "dpkg -L
package_name |grep '/info/'"
変化中の事や特定案件に関しては、https://wiki.debian.org/ にある Debian の Wiki
Open Group の The UNIX System Home Page 中の Single UNIX Specification
https://www.wikipedia.org/ にある Wikipedia のフリーの百科事典
The Linux Documentation Project (TLDP) の HOWTO 集
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注記 |
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詳細な文書を読むには、" |
bash(1) シェルコマンドの例示をする以下のような簡略化した表現スタイルで本書は情報を提供します。
# command-in-root-account $ command-in-user-account
これらのシェルプロンプトは使われるアカウントを区別します。これはちょうど環境変数として: "PS1='\$'" と
"PS2=' '"
を設定した場合に相当します。これらの環境変数値はあくまで本書の読みやすさのためで、実際のインストール済みシステではほとんど見かけません。
すべてのコマンド例は英語ロケール "LANG=en_US.UTF8" 下で実行されます。コマンド例中の
command-in-root-account や
command-in-user-account
等のプレースホルダー文字列が翻訳されるとは期待しないで下さい。これは全ての翻訳された例が最新版であるようするための意識的な選択です。
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注記 |
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" |
システム管理者が行うべきアクションは命令文で書かれています: 例えば、「シェルに各コマンド文字列をタイプ後毎にエンターキーをタイプします。」 (必ずしも「〜しましょう。」とはせず簡潔に訳しています。)
英語では、テーブル中の説明や類似のコラムには、パッケージ説明の慣習に従い、定冠詞抜も不定冠詞も抜きの名詞句が入ります。これらには、マンページのコマンドの短い説明の慣習に従った頭の "to" 抜きの不定詞句が代わりに名詞句として入ることもあります。変だなとお考えの方もあるとは存じますが、これは本文書をできるだけ簡潔にするための著者の恣意的な文体の選択です。以上の短な説明慣行に従い、これら名詞句は大文字で始まらず読点もありません。 (対応部分は文切り型の体言止めの日本語表現に訳します。)
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注記 |
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コマンド名を含めて固有名詞はその位置によらず大文字・小文字の区別を保持します。 |
本文中に引用されるコマンドの断片はダブルクォーテションマーク間にタイプライターフォントで書き
"aptitude safe-upgrade" のように表現されます。
本文中に設定ファイルから引用された文字データーはダブルクォーテションマーク間にタイプライターフォントで書き
"deb-src" のように表現されます。
コマンドはその名前をタイプライターフォントで書き、場合によってはその後ろにマンページのセクション番号を括弧中に入れて書き
bash(1) のように表現されます。読者は以下のようにタイプして情報を得るように心がけて下さい。
$ man 1 bash
マンページはその名前をタイプライターフォントで書き、その後ろにマンページのセクション番号を括弧中に入れて書き
sources.list(5) のように表現されます。読者は以下のようにタイプして情報を得るように心がけて下さい。
$ man 5 sources.list
info
ページはダブルクォーテションマーク間にタイプライターフォントというコマンドの断片形式で書き "info
make" のように表現されます。読者は以下のようにタイプして情報を得るように心がけて下さい。
$ info make
ファイル名はダブルクォーテションマーク間にタイプライターフォントで書き
"/etc/passwd" のように表現されます。読者は以下のようにタイプして情報を得るように心がけて下さい。
$ sensible-pager "/etc/passwd"
ディレクトリー名はダブルクォーテションマーク間にタイプライターフォントで書き
"/etc/apt/" のように表現されます。読者は以下のようにタイプして情報を得るように心がけて下さい。
$ mc "/etc/apt/"
パッケージ名はその名をタイプライターフォントで書き
"vim" のように表現されます。読者は以下のようにタイプして情報を得るように心がけて下さい。
$ dpkg -L vim $ apt-cache show vim $ aptitude show vim
文書は、その場所のファイル名でダブルクォーテションマーク間にタイプライターフォントで書き
"/usr/share/doc/base-passwd/users-and-groups.txt.gz" や
"/usr/share/doc/base-passwd/users-and-groups.html"
のように表現されたり、その場所の URL で https://www.debian.org
のように表現されます。読者は以下のようにタイプして情報を得るように心がけて下さい。
$ zcat "/usr/share/doc/base-passwd/users-and-groups.txt.gz" | sensible-pager $ sensible-browser "/usr/share/doc/base-passwd/users-and-groups.html" $ sensible-browser "https://www.debian.org"
環境変数は、頭に "$"
がついた名前をダブルクォーテションマーク間にタイプライターフォントで書き、"$TERM"
のように表現されます。読者は以下のようにタイプして情報を得るように心がけて下さい。
$ echo "$TERM"
ポプコンのデーターは各パッケージの客観的人気の指標として提示されいます。それがダウンロードされた日付は 2026-02-23 11:12:43 UTC で、 215455 を越すバイナリーパッケージ数と 26 のアーキテクチャーにまたがる 280503 つの提出レポートからなります。
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注記 |
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"votes" を意味する "V:" が前についたポプコンの数は "1000 * (PC で最近実行されたパッケージに関するポプコン提出)/(全ポプコン提出)" として計算される。
"installs" を意味する "I:" が前についたポプコンの数は "1000 * (PC にインストールされているパッケージに関するポプコン提出)/(全ポプコン提出)" として計算される。
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注記 |
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Popcon の数字はパッケージの重要性の絶対指標と考えるべきでません。統計を曲げる多くの因子があります。例えば、Popcon
に参加しているシステムの一部は " |
各パッケージの客観的指標としてパッケージサイズデーターも提供されます。それは "apt-cache show" や
"aptitude show" コマンドが ( 現在の amd64
アーキテクチャー上の unstable リリース上で) 表示する
"Installed-Size:" です。サイズは KiB (Kibibyte = 1024 バイト単位) で表示されます。
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注記 |
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小さなパッケージサイズのパッケージは |
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注記 |
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"(*)" が後ろについたパッケージのサイズは、 |
新規ユーザーへのリマインダーを以下に記します:
データをバックアップします
「バックアップと復元」を参照下さい。
パスワードとセキュリティーキーを保護します
KISS (keep it simple stupid、簡潔性尊重原則)
システムを過剰にエンジニアリングしてはいけません
ログファイルを読みます
最初のエラーが大事なエラーです
質問する前にインターネットを検索しましょう
必要もないのに root になってはいけません
パッケージ管理システムを改変してはいけません
自分が理解していないことを入力してはいけません
(全セキュリティレビューを受ける前に) ファイルのパーミッションを変更してはいけません
あなたの変更をテストするまでrootシェルを離れてはいけません
代替ブートメディア (USBフラッシュドライブ、CD-ROM, …) を常に確保します。
新規ユーザーを啓蒙する Debian のメーリングリストで見つけた興味深い引用文を記します。
"This is Unix. It gives you enough rope to hang yourself." 「これは Unix
です。首を括るのに十分なロープをあてがってくれますよ。」 --- Miquel van Smoorenburg <miquels
at cistron.nl>
"Unix IS user friendly... It's just selective about who its friends are." 「
Unix はユーザーフレンドリー ( 使う人に優しい) です... 誰にフレンドリー ( 優しく) にするかの人見知りするだけです。」 ---
Tollef Fog Heen <tollef at add.no>
ウイキペディアの "Unix philosophy" という記事に、おもしろい格言集があります。